料理と食材選び
現代人は体が冷えている
美ライフが提案する食事指導のべースは、食べることを生活の一部として位置づけることにあります。それに加えて、中国のおいしく健康的に食べる知恵をうまく活用しています。そうすることで、日本の伝統を生かすとともに、食事療法が苦行ではなく、楽しみや喜びになってくるのです。
主食・主菜・副菜に陰陽五行を活用する
がん患者はおなかが冷えている?
食事の基本は、現代食の主食・主菜・副菜に陰陽五行をうまく活用することです。そして、患者さんそれぞれの体質をみることです。漢方では『証』をみるといいます。がんの患者さんをみていると、ほとんどの人は体が冷えて、手足が冷たいといいます。がんの患者さんのほとんどは下痢か便秘だといいます。おなかが冷えている証拠だと考えられています。
エアコンの弊害
現代人の生活は、体を冷やす要素ばかりです。エアコンが、その最たるものです。
夏は、汗をかくことが必要なのに、汗がかけなくなっています。ですから、食べ物だけでも、体を温めるものにしたいものです。
食で体を温めるコツは、火を通すことです。体を冷やすといわれている陰性の野菜でも、火を通すことで、体を温めてくれます。
ある女性のがん患者は、いつも便秘で食も進まず、とてもやせていて、見るからに体が冷え、エネルギーも不足していました。食の基本に加えて、胃を保護するはたらきがあるおかゆをすすめました。同時に、体を温めるというおかゆの作用にも注目しています。
生活習慣病を予防する食事とは
生活習慣病を予防するための食事のポイントは、次のようなものです。
- (1)調理の段階で、食品に農薬(毒)などの有害物質を摂取しない処理をする。
- (2)免疫力を上げる食品や栄養を利用し、楽しく食べる機会を増やす。
- (3)血液をきれいにする食品やバランスのよい栄養配分をする。
食材選びのポイント
農薬や化学添加物などの有害物質を、なるべく体に入れないようにするポイントは次の通りです。
- (1) 主食+主菜+副菜で栄養素のバランスをとり、緑色・橙色の野菜を多めにする。
- (2) 野菜はたっぷりの湯でゆでてから調理する。
- (3) 肉類は少なく、豆類を忘れないようにする。
- (4) 牛肉よりも豚肉、豚肉よりも鶏肉にする。できれば薬品を使わずに育てられたものがよい。
- (5) 脂分は取り除く。
- (6) 魚は小形のものにする(食物連鎖で大きな魚に有害物質が蓄積する)。
食生活改善は、食べる行為にまつわるすべてのことを考えないと成り立たない
食生活改善は、栄養素を踏まえつつ、胃腸を整えて、よくかみ、体質を改善し、宇宙のなかにいる自分を見つめ、「食べる行為にまつわるすべてのことを考えないと成り立たない」というのが、美ライフの考え方です。体によい料理を作るには、愛というビタミンが必要です。芸術療法や心理療法にもつながっていきます。
おいしく楽しく食べることに注目する
厳しい制限食に行き詰まった人は、食事をも広い範囲でとらえて、おいしく楽しく食べるという側面から組み立て直してみると、新たな意欲をもってがんに立ち向かえるのではないでしょうか。