薬膳

美ライフの提案する中国薬膳

「食べ物を楽しみのために求め、そのうえ、体にいいものを探す」という食とのかかわり方のお手本になるのが、中国の薬膳です。美ライフでは、中国薬膳の考え方をベースに、現代栄養学の知識を加え、日本の風土にあった独自の食事法を提案しています。

「おいしいものは健康にいい」という発想

家族や友人が集まっておいしく楽しく食べることで、免疫力が向上し、健康になれます。日本人は、「良薬口に苦し」という考え方が強いので、「おいしいもの=健康にいい」という発想がなかなか出てきませんが、本来の食生活はおいしいものを求めるものであり、そのことが健康を生み出す原動力のひとつになるのです。

体にいいものをおいしく食べる中国人

体にいいものをおいしく食べることにかけては、天才的な民族が中国人です。3000年ほど前の中国では、「食医」といわれる医師と栄養士を兼ねた人たちが、王の飲食を管理していました。彼らは、常においしさと健康を両立させる料理を研究し、王様に献上してきたのです。

中国薬膳とは、陰陽五行説に基づいた法則

食医はおいしくて、体にいい料理とは何かを真剣に研究したに違いありません。その結果、いくつもの陰陽五行説に基づいた法則が見つけ出されました。それが、中国薬膳です。

陰陽五行にのっとった食のバランス

食のバランスは、中国薬膳のベースとなる東洋医学でも大切にされています。その核となるのが「陰陽五行」という考え方で、陰陽五行に沿ってバランスを考えていけば、おのずと健康的な内容の食事が作れるようになっています。

すべての事象は陰と陽からできている
熱い夏には陰の食べ物で体を冷まし、寒い冬は陽の食べ物で体を温める

陰陽五行とは、すべての事象は陰と陽からできていて、それぞれ5つの性格に分けられ、お互いに影響を与え合っているという考え方です。たとえば、熱い夏には陰の食べ物(すいか、なす、緑豆など)で体を冷まし、寒い冬は陽の食べ物(牛肉、鶏肉しょうがなど)で体を温めるというバランスのとり方をします。

「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹(塩辛い)」の五味の組み合わせ

また、五行の考え方では、味は「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹(塩辛い)」の5つに分けることができます。五味には、それぞれ効能があり、互いに補い合ったり(相生)、抑え合ったり(相剋)します。これらを体調に応じて、バランスよく配剤するのが健康的な料理ということになります。

酸味や渋味は、下痢や頻尿、出すぎる汗を抑える作用

五味には、それぞれ効能があります。酸味や渋味は下痢や頻尿、出すぎる汗を抑える作用があります。下痢のときに梅干しがいいといわれるのは、酸味に下痢を止めるはたらきがあるからです。

苦味は熱やのぼせを取る

苦味のものを食べると、熱やのぼせを取ることができます。緑茶には苦味がありますが、暑いときにはこの苦味が体をすっきりとさせます。

甘味は滋養強壮や緊張を緩める

甘味は、滋養強壮や緊張を緩める作用があります。疲れたときや元気を出したいときには甘いものをとるといいでしょう。

辛味は気や血の巡りをよくする

辛味には、気や血の巡りをよくするはたらきがあります。しょうがやとうがらしのような辛いものを食べると、体が温まります。汗が出て、血行がよくなります。

鹹味はしこりを和らげ、便通をよくする

鹹味(かんみ)をとると、しこっているものを和らげることができ、便通がよくなるなどの作用があります。

制限のない中国の食養生

陰陽五行に基づいた食生活は、たとえば、暑いときには体を冷やす食べ物をとることで、中庸を保とうとします。夏にすいかやトマト、きゅうりなどを食べるのは、体を冷やす効果があります。

中庸という考え方

現代栄養学では、「コレステロール値が高ければ肉の脂肪を少なく」と、一方的に制限するのが基本です。陰陽五行の考え方では、動物性と植物性をとって中庸をとる、つまり肉を食べたら野菜や海藻、きのこ、豆腐など、植物性の食べ物をたくさん食べるという指導になります。

制限食はプレッシャーになりやすい

現代栄養学の制限食の考え方は、指導を受ける側にとっては、結構プレッシャーになってきます。

肉を食べてはいけない、塩を制限しましょうというのは、それがいくら正しいことでも、気持ちのうえで負担になり、長続きしなかったり、ときどき大食いするという反動が出ることもあります。

陰陽五行の指導
肉を食べたら、それに見合うだけの野菜を食べましょう

それに対して、肉を食べたら、それに見合うだけの野菜を食べましょうという陰陽五行の指導だと、とても気が楽になります。結果的には、野菜を食べる分だけ肉の量を減らせることになり、コレステロールや肥満の問題も、自ずと解決します。そのうえ、取り組む気持ちが違ってくるのです。

何を食べてもいいけれど、陰陽五行のバランスを整える食べ方を心得る

概して、日本や欧米の食事療法は制限が多くなっています。玄米食も生菜食も制限食です。制限をすることで中庸を求め体質改善します。そこから先は、年齢、体質、病気の程度、季節、湿度、気温、生活条件などを考えて本来の有効な食事療法が必要になります。中国の食養生では何を食べてもいいけれど、陰陽五行のバランスを整える食べ方を心得るという考え方です。

赤、黄色、緑、茶、黒をバランスよく

陰陽五行は、色で見るとわかりやすいかもしれません。赤、黄色、緑、茶、黒をバランスよくとることです。赤は、にんじんやかぼちゃ、黄色は白っぽいもので、白菜やキャベツ、きゅうり、緑はほうれん草やピーマン、茶はきのこ、黒は海藻やなすです。これらを必ず入れるように工夫することで、食生活は豊かになります。

身近な材料で家庭でも手軽に「薬膳」(1993年、梅木豪之)

体質にあった食事で病気予防を
 

漢方によれば、食物には薬としての側面もあり、自分の体質と食品の薬効を十分に知っていれば、食品だけでもかなりの効果を発揮するという。病気にならない体づくりは、まず普段の食事から。先ごろ、食物のもっている効能を知るのに最適なビデオが「環境保護ハイヴィジョンセンター」から発売された。「家庭で作る漢方健康料理『薬膳』」(全5巻)。その監修・解説にあたった日本漢方協会理事の根本幸夫さんに薬膳について話を聞いた。 (梅木豪之)

「(人間の)自然治癒力を強化させて病気を治す」。薬膳はそういう漢方の考えに基づいている。中国の言葉「医食同源」は、病気の予防や治療を、日常の食事で行おうというもの。食事が正しければ病気にならない、病気になれば食事を正せばよい、それでも治らない場合に、はじめて薬を使えばよい、という姿勢である。

「われわれの体をつくるのは食物です。まず、食を見直すことが大切です。たとえば、アレルギーなどはなぜ起こるか考えてみると、食物がかなりのウエートを占めることが分かると思います」と根本さん。食べ物の中で「偏りのあるものが薬として使われる」(根本さん)。

一般的にいう薬膳とは、「食養」、「食療」、「薬膳」の三つから成り立っている。

「食養」とは、日ごろから自分の体質に合わせて食事のバランスをとること。たとえば、冷え症で胃腸虚弱な体質の人は、生野菜や果物、アイスクリームなどの寒涼性のものは避け、スープなど温かく、あまり脂っこくないものを食べるようにすることである。

「食療」とは、食物のもつ薬的部分の薬効を生かして食事に取り入れること。

「薬膳」とは、一般の料理や食療の料理に純然たる漢方薬を加えて調理したもの。薬効は食療より強く、食療で癒えない場合に用いる。

食生活の変化で、現代人は体質が変わりつつある、と根本さんはいう。飽食からの病気が多くなり、過剰栄養になっている、とも。

「カルシウムとか、ビタミンとか、何々が足りないからといって、それを全部とったら、それこそブロイラーです」。食は栄養や成分だけでは割り切れないものがある、と根本さん。

「たとえば、ショウガは食品成分表をみるとカリウムが少し多い程度の栄養学的には特徴のない食品ですが、風邪や嘔吐の治療に用いられる立派な漢方薬です。ネギも葱白(白い部分)などは体を温める作用が強いため、発汗させて風邪を治します」

初期の風邪は、葱白とショウガを刻んで薄味のスープを作り、寝る前に熱くして飲むと、体が温まり発汗させるので、短時間で治る、という。ただ、「生姜は血をよくめぐらす作用をもっているので、痔疾患のある人は避けたほうがいい」。

ビデオは、こうした薬膳料理を成人病編、強精・強壮編、女性専科編、子供専科編、体力回復編の全5巻にわたって、本場中国四川省成都・百草園の厨房で作られた五十品を紹介。料理の手順も分かりやすく、作り方も簡単。材料もすべて国内で手に入るものという。

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